私の片想い事情 【完】

隼人に久しぶりにラーメンに誘ってもらえたせいか、いや99%それが原因だろう、その週、私はかなりご機嫌だった。


記録的な猛暑なんて気にもならないくらい、テンションが高かった。


とりあえず、日曜日は記録会も入ってないので、その日にラーメンに行く約束をした。


日曜日は、一般にプールを公開しているだけでクラスはない。監視員としてプールサイドにはいなければいけないが、通常より楽な稼働日だ。


一番クラスの多い今日土曜日を乗り切れば、明日は待ち遠しい隼人とのラーメンデート。


まぁ、デートと思っているのは私だけだけど、こんな風に、彼女じゃなくて、私を誘ってくれることが嬉しかった。


そして月曜日は、プールは休館日だから、多分そのまま飲んで私のアパートに泊まっていくといういつものパターン。


上質なトリートメントを買っておいて良かった、と心がうきうきする。


こんなことの繰り返しだから、私は隼人をあきらめることができない。


頭でわかっていても、このくすぐったくなるような、恋に恋しているような状況が居心地よくて、現状を変えることができない。


23にもなって、小学生みたいな恋。


それでも私は、必死だった。


隼人の傍にいたくて、


隼人の笑顔を少しでも独占したくて----



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