中指斬残、捌断ち儀
(二)
起きるなりに藤馬が言ったことは、
「クソッタレ」
最低な目覚めじゃねえかと頭を掻く。
夢見悪くて二度寝する気もなく、藤馬は仰向けのまま意識を明瞭にしていった。
白い天井――とは程遠いくすみを持つくたびれた色は、この建物の老朽化を暗示しているようだった。
一瞬、どこだと藤馬は目をしかめたが――右目にガーゼが宛がわれていたことで、『あいつの住処か』と思い出した。
ガーゼの上から眼帯(パット)を当てられ、更に両目を覆うような形で冷たい濡れタオルも乗せられていた。目の上に障害物(タオル)があろうとも、藤馬の視界は開いたままだ。そんな仕組み(目)であることに辟易しつつ、藤馬は自身のいる場所を見る。
寝心地が悪い堅いベッドを軋ませ、タオルがずれないように押さえつつ、左に寝返りを打つ。白布のついたてと点滴スタンドが目に入った。
点滴パックから伸びる管を辿れば、自身の腕に刺さっているではないか。
「ちっ」
うぜえとテーピングされた針を抜き取り床に捨てた藤馬は、次に右を見る。