中指斬残、捌断ち儀
こちらについたてはなく、いかにもな付く診療スペースが広がっていた。
薬品が入った棚や、医学関係の本が並ぶ机。水銀の血圧計及び、レントゲン写真を貼るであろうボード(シャウカステン)もあった。
ただどれもこれもが老朽化した建物に相応しい備品で、一概に皆使い古されているほどのくたびれ具合。
内装からしてどこぞの大きな病院ではない。診療所というやつかと、そのこじんまりとした一室に藤馬は思う。
離島にでもありそうな診療所。ここから見える窓には木々しか映っていないが、またずいぶん辺鄙な場所に来たものだと藤馬は最初の姿勢に戻った。
「い、つつ……」
体の部位を動かそうにもまだ痛む。
当然と言えばそうか、本来ならば死んでもおかしくない致命傷を受けて、もう痛まないだなんて生易しい傷にするのはご都合主義すぎる。
「あー、くそ」
不自由な体に毒づきながら、唯一まともに動く右腕でタオルを手に取った。