中指斬残、捌断ち儀


ここまで拒絶されれば、藤馬の前から消えても良さそうなのに、五十鈴はまだ言いたいことがあるらしく焦れったさを招くような表情をしていた。


そんな奴の言いたいことなど、察することはできた。


「何だよ、ガキのことか?」


五十鈴のもっぱらの話題は渉しかないだろう。


藤馬が皮切りを与えてやれば、五十鈴は頷き、口を開けた。


「渉は、もう大丈夫なんだよな?」


「しつけー。中指に関しちゃいねえよ。てめえの鳥目(左目)でも、あのガキに何も憑いていないことは分かんだろうが」


藤馬の言うことに否定はしなかった。


今の渉は、まっさらでありどこにでもいる少年と大差ないのは五十鈴も分かっていた。


終わったと、本人でさえも言うほどに呪いの影さえ見えないのだが。


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