中指斬残、捌断ち儀
あの野郎、とこの場にいない変人が、五十鈴の的外れな心遣いを止めずにいた場面を想像すると、何だか腹立たしい気持ちになる。
「もういい、やんな。俺の目に触れんじゃねえよ」
しっしっ、と近づく五十鈴を手で払う。
「な、なんだ、もしかして痛むのか」
「ちげえよ、このお節介」
拒んだのは痛んだからではないにしろ、言った後に“そういうことにしとけば良かったか”と心内で舌打ちした。
「いいからともかく、ああ、金輪際、俺の目に触れるな。見るのも禁止だ。てめえに触られると虫酸が走んだよ」
出た言葉は引けずに、続けられたことには流石に五十鈴もムッとしたようだが、分かったと承諾してみせた。