中指斬残、捌断ち儀
「それは……」
喫茶店で話した将来。真にやりたいことではあったが、それはあくまでも二十歳までしか生きられないを前提とした考えだ。
長く生きられるとなった以上、やはり大学やら就職やらに念頭を置くべきであり、物見遊山(ものみゆさん)人生で楽観していいほど現実は生易しくない。
「やりたいことがあるなら、それをやれ。とは言いたいが、今の君なら“いつでも出来ることだろう”?
世界巡りだなんて、大人になってからでも、老後でもできることであり、性急すべきことでもない。アリとキリギリスか。今のうちにやるべきことは全てやって、楽しみ(やりたいこと)はとっておくべきだ」
“その時が来たら、最高に楽しいはずだよ”、と保証するようにさざめきさんが珍しく笑っていた。
楽しみは後にとっておけ、か。