中指斬残、捌断ち儀
「分かっている、すべては私の自己満足がための偽善だと」
戒めるべき対象。
誰かのためを行き過ぎた結果たる自身の救済行使欲望。
人に優しすぎて煩わしいが含まれてしまう、この性格でも。
「それでも、私が何か役に立てるのならば」
役に立てるときもあったからこそ。
「お前を助けられるならば、私は――」
人の泣き顔は辛く、『助けて』の声は苦しくて。
「お前が笑えるように、頑張るよ」
『幸せだ』と心から言えて笑えるように望むから。