中指斬残、捌断ち儀
「ハッ、自分らしい生き方だなんて、大概の奴が分かんねえだろうが。自分探しの旅ー、だなんてよくやる奴いんじゃん」
「僕から言わせれば、それは再度、やりたいことを見直す過程にある単なる“社会への現実逃避”だが……。
親の理想となり、自我を他人任せにした子供は、自分が嫌いでたまらない。『こんなこともできない自分なんて』と例えそれができなくて当たり前な難題だとしても、『自分が全面的に悪い』と感じてしまう。
何故か?それはずっと、『お前がいけないんだ』と親に教え込まれていたからだ。
“自分自身に満足感を持てない”ないし、“満足などしてはいけない”と自分を誉めることができない。
自己評価は常に落第点であり、前向きな思考が取りづらくなる」