中指斬残、捌断ち儀


そうしてもらうためにも、僕は春夏秋冬の家に住むことになった。


おじさん――持田さんにその旨を伝えれば、「そうかそうか」と電話越しでもわかるおかめ顔で言ったと思う。


表向きは僕が持田さんと一緒に住み世話をしてもらっている、となっている。僕の戸籍の住所も持田さんの自宅となっていたが、紙上の文字で僕が本来住む場所が違うなど、案外分からないものだった。


学校なんかがいい例で、担任の先生が「そうだったのか」と信用し、僕がまだ春夏秋冬の家にいることを考えてもなかったようだった。


姓については変わらない。持田さんは保護者であっても、本来の家族ではないから。住所が変わっただけで(書類上のみ)、他は今まで通りだった。


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