中指斬残、捌断ち儀
“お前たちの前に立ちはだかるのは、いったい何か”――
「身の程(水かさ)を知れ、跪く前に死んでみせろ」
自害していく影は脆いものだった。首を二回転させただけで、はいおしまい。魂の質はいまいちで、憎悪に限っても浅いのだろう。
みんながやっていたから、やってみた。日本人の典型らしさでやり続け、途中から遊び半分だったのかもしれない。
恨みを晴らすのが楽しい。楽しいから、“恨むのを止めない”。
もっとも、純然たる復讐心のみで生きてきた(死んできた)輩もいるにはいて。
「なっか、ぎぎっ、めいろ、らくぅ、ざんざんんん゛!」
死にきれていなかった。死んで堪るものかと己が強迫観念に抗ってもいるようで、それを藤馬は鼻で笑った。