中指斬残、捌断ち儀


何をしているんだ――?


散り散りとなった前方、あの男との間にある壁(影)がなくなり、順を追って左目に睨まれていく。


「なら、なんで“いたんだろうな”?同族と違ったことができる、“仲間外れ”がどうしてこの世にいるんだか。もしもこれが違う世だったらどうだ?天上にはもしかしたら、鳥が水を泳いでもおかしくねえ場所があるんじゃないのか。――だとすれば、だ」


さすれば決まって、自害した。


問答無用に、容赦なく。死にたい死にたい死にたいと強迫観念めいたものに駆られて、成し遂げた影は消えていく。


「“間違った場所に産まれちまったんだよ、そいつは”。間違った、仲間外れにされねえ場所から何故かこんな世に産まれちまったから、さあ大変ってやつだなぁ。餓鬼道の鬼が、修羅道の阿修羅が、人間道に産まれたもんだ。――ああ、ここまで言えば、分かるよな?」


< 971 / 1,127 >

この作品をシェア

pagetop