中指斬残、捌断ち儀
「は、ぐぅ……」
苦悶する声が小さかったのは、喉がからっからに渇いていたからだった。
砂を飲み込んだわけじゃないけど、喉に砂漠でもできあがるイメージ。男にしては小さいと言われた喉仏を上下させただけでドクターストップでもかけられたみたいだ。もうしばらく、何も喋りたくはない。
親指で喉をなぞれば、奇妙な溝(凸凹)ができていた。戦車でも通ったあとみたいな轍に、そうかと思う。
「ぼく……」
やっと健忘がなくなった。ノイズ混じりだった思考が鮮明になり、つい先ほどあったことを回想する。
いっそ、思い出さない方が良かったかもしれない。あまりに衝撃的すぎて吐き気がひどく、心臓が早鐘となる。
一から十まで再生されたこと。途中から暗闇しか見えなかったけど、首を吊られた感覚は未だに残っている。