Affair
「ありがとうございます」

嬉しくて、私は返事をした。

カネさんに言われたら、何だか自信がついちゃった。


「ただい、ま…」

家に帰ると、玄関に夫の靴があった。

今日は帰らないんじゃなかったの?

おそるおそるリビングに顔を出すと、
「おかえり、どこへ行ってたんだ?」

やっぱり、夫がリビングにいた。

「――か、カネさんと銀座で食事して、エステに……」

夫と話をしているはずなのに、警察に尋問されている気持ちになった。
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