Affair
「へえ、エステか。

だから、こんなにもいい匂いがするんだ」

クンクンと鼻を動かしながら、夫が私に近づいてきた。

「あの…やめてください…」

こないで!

私は心の中で叫びながら1歩、また1歩と後ろへ下がった。

「別に、恥ずかしがることなんてないんじゃないのか?」

夫の手が私の腰に回った。

「い、嫌…」

クンクンと、まるで夫は犬のように鼻を動かしている。

こないで!

あなたのためにエステに行ってきたんじゃない!

私は心の中で叫んだ。
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