月と太陽の恋模様


「……ご飯食べましょうか。」




とりあえず無難な提案をしてみた。


お昼は味気なくもコンビニでおにぎりや弁当を来る途中で買っておいた。


一度館内に入ってしまったため外に出ることは出来ない。


だから飲食コーナーのある3階へと向かった。


もちろん手は繋いでいない。館内地図を見る限りエレベーターで上がってすぐの所が目的地。この短い距離で手を繋ぐ必要性が感じられない。


その代わり先生は先ほどからずっと無言のまま。機嫌を損ねてしまったようだ。




「先生…館内見て回る時……その…繋ぎますから……何か話して下さい。」




恥ずかしいけど…こんなぎこちない空気の方が耐えられない。




「…………」




先生は無言のまま。エレベーター内の空気が重い。私は恥ずかしくて後ろに居る先生の方を見ることが出来ない。顔も上げれない。




「…………」




――これも耐えられそうにない。
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