state of LOVE
志保とレベッカ。

浮かんだ名はお馴染みの二つ。本当はツッコミたいところなのだけれど、聖奈の前では慎むべきだろう。俺だってそれくらいの判断はつく。

「夕飯、志保のところでテイクアウトしてきたけどいい?」
「あぁ、うん」
「わざわざ行ってくれたんですか?ごめんなさい」
「いいんだよ、これくらい」

これで確定だ。
いや、そこに二人で居た可能性もある。

そう思い、美緒を抱えたままキッチンに向かうメーシーを追った。

「セナ、俺の部屋に荷物置いてこい」
「はい」

そう。こうして素直に従ってくれる聖奈は、そういったことには特別鈍感で。俺が敏感過ぎるのかもしれないけれど、下手をすれば両親の不仲に繋がりうることだけに、どうしても見過ごすことができなかった。

「で?」
「ん?」
「難しいモデルはどっちだよ」
「え?あー…あはは」
「ムダだってわかるだろ?」
「まぁ…そうだろうね」

レベッカのことで言い合って以来、俺とメーシーは以前より数段腹を割って話すようになっていた。

「レベッカだよ。二人で志保の店に居た」
「疾しいことは?」
「無い。…とは言い難いかな」
「何だよ、それ」

ケジメをつけたはずだろ。と言いかけて、パタンと閉まった扉の音に言葉を呑み込んむ。

「アイツには俺からもう一度言っておく」
「あぁ、そうじゃないんだけどね」
「いいよ。詳しくはアイツに聞くから」

これ以上話し込んでいては怪しまれる。そうすると、悪事がバレてしまうではないか。そう焦った俺に、メーシーは笑った。
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