お隣さん。
「せんぱーい」

振り向くとさっきまで話していた内田くんが走ってきた。

「どうしたの?」

優しく、心が広いわたしは笑顔で答えてあげた。

「先輩の歩いてる姿見えたんで一緒に帰ろうかと…

あ、もしかして彼氏待たせてる感じですか?」

たぶん、1年の中でも騒がれているであろうこのルックス。

かっこいいっていうか…どっちかっていうと可愛い感じ。

髪の毛もワックスを使った形跡はなくふんわりしていて

癖っ毛なのか少しだけくるっとしている。

性格もさっきの話からすれば甘えたな感じだと思う。

そんな子に声を掛けられていやな先輩はいないだろう。

「彼氏なんてまってないよ。

一緒に帰る?あ、南中だったんだよね?

そしたら少ししか一緒に帰れないんじゃない?」

「あ、俺南中には通ってましたけど東よりなんで」

どこらへんか聞くと本当に東よりで

どっちかっていうともう東だった。

「そっか。結構うちと近いよ」

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