推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「さっきも言ったけど。質問のところだけ全部平仮名なんだよね。これが、漢字が読めなくても解けるよって証拠じゃん」
「……だ、だったら、何が答えだっていうのっ!?」
ことごとく匠が反論するからか、香苗もだいぶイライラしている様子だった。
「そうだよ匠くん。あれでもない、これでもないなら、他に答えはないよ?ぼくらはお手あげだ」
大きな手をあげる浮夫の仕草は、比喩すればまさに襲い掛かる寸前の熊のようだと匠は思った。
広間が異常に蒸し暑かったのも、彼のせいではないかと訝りたくなるほどだ。