推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「あ、危ない!!」
姫子の叫ぶ声とバッグが地面に落ちる音がした。
匠は、その音の鳴るほうへなんとか身体をひねって手を伸ばしたが、小さな体躯が災いして姫子に届かず、口紅ごと転げ落ちてしまった。
「匠っ!!」
「き、君!大丈夫か!?」
誰かの声が一瞬交錯する。
幸いにして、大階段には踊り場があったため、数段の落下で済んだのだが。
「……っあああああっ!!」
とっさに頭をかばっていた匠は、けれど下肢に激しい痛みを覚えて悶絶びゃく地した――。