推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
━━Ⅲ━━
「ダメだよ。念のため病院へ行こう」
「嫌だ!行かない!」
「気持ちは分かるけど……ほら、頭を打ってたらいけないだろう?」
「打ってない!手でちゃんとおさえてたし」
2階の客室のベッドの上で、匠は編集者の浮夫と言い争っていた。
数段とはいえ、階段から落下したのだから病院で検査をというのは正論で、匠の反論は駄々でしかない。
しかし、一歩も引かない。
匠がこうも頑ななのは、別の理由があるからだ。