狼少女
「……い…」
あれ?
誰かの声がする…
「白井…風邪ひくよ…」
「へっ?!」
声がして、私は、起き上がった。
(誰?!)
起き上がるとそこにいたのは…
「白井~!!!! 寝てないでさっさと体育館いけっっ!!!!!」
…先生だった…
周りを見渡すと、始業式の時間になったらしく、みんな移動していた。
「あっ…」
(そうか、私眠っちゃったんだ…)
じゃぁ、あの声は、先生?
でも、あの時の声はすごく優しい声だった…
考えていると、先生がしゃべりだした。
「ったく…セーター羽織るくらい寒いなら教室にいろよな!!」
えっ…
セーター?
よく見てみると、私の背中にはカフェオレ色のセーターがかぶさっていた…