未来へ
先輩の家はさっきの薬局から5分ほど歩いたところにあるアパートだった。

「一人暮らしなんですか?」

広さからいっても家族が住むには狭すぎるワンルーム。

部屋にはよけいなものはほとんどなく、ベッドとローテーブルのほかには対面キッチンのカウンターと備え付けのクローゼット、教科書や参考書などが並べてある本棚があるくらい。

「親にムリ言って家を出たんだ。」

先輩は私にタオルを渡しながら言った。

「どうして?」

「そんなにオレのこと知りたい?」

「いや、そういうことじゃなくて・・・・・。」
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