未来へ
少しして、先輩はキッチンから出てきて湯飲みに入ったものを私に渡した。

「悪い、コップなくてさ。」

湯飲みに入っていたのはあったかいココアだった。

「ありがとう。」

少し戸惑いながらも、ココアを受け取ろうとしたとき、私の手が先輩の手に触れた。

先輩の手に触れたとき、ピリッと電流のようなものが走り、私はびっくりして一瞬手を引いた。

静電気ではなく、うまく言えないけどなんだか感覚的なもの。

案の定湯飲みは私の上にひっくりかえり、床の上に座っていた私の膝に熱いココアがぶちまけられた。
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