未来へ
「ほ、ほんとに?冗談じゃなくて?」

おそるおそる隣を見上げると、顔を赤くして目をそらした藤堂君の顔が見えた。

「冗談でこんなこと言わないよ。よかったら、つきあってほしい。」

藤堂君は最後の方はまじめな顔になって、私の目を見ながら真剣に言った。

「はい、お願いします。」

私の顔が火照るのがわかった。

「じゃあ。」

と言った藤堂君は私の手をとって歩き出した。

はじめてつないだ男の人の手は大きくてあったかくて、触れているところからドキドキが伝わってしまうんじゃないかと思った。
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