未来へ
まだ来たばかりだったけど、私たちは少し休むことにした。

まだ調子の悪そうな修哉をベンチに座らせ、私は飲み物を買いに自動販売機のあるところまで歩いて行った。

冷たいお茶とオレンジジュースを買おうと思ったが、財布の中に小銭がなくなってしまった。

仕方がないので売店まで行くことにした。

ふと、視線を感じて振り向いたが、そこには風船を配っているクマのぬいぐるみしかいない。

クマは子供たちにまとわりつかれ、時にはたたかれたりもしながらも優しく子供たちと遊んでいた。

なんとなく、動きが誰かに似ている気がした。

私はクマを横目に売店で飲み物を買い修哉の元へ戻った。

冷たいお茶でのどをうるおすと、修哉の具合も少し回復したようだ。
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