真夜中の雨


部屋の隅に置いてあったスーツのズボンから煙草を取り出し火をつける。
マラソンでも走ったかのような息切れに、少しだけむせた。

夢中になりすぎて気が付かなかったが、どうやら今トイレに行っている彼女と随分長い事愛しあっていたようだ。

それでもまだ満ち足りていないかのように起き上がる下半身に自然と出る苦笑いが、焦りに変わったのはその数分後だった。


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