真夜中の雨
疲れた顔を上げた僕の目の前をスモークとカーテンで車内を完全に隠した状態の黒い軽自動車が横切り、そのまま止まる。
開いた助手席のドアから現れたのは、制服を身に纏ったモデルのような女の子だった。
そしてその綺麗な女の子は真っ直ぐに僕の方に向かってきて「あのー…金崎さんですか?」と笑顔で聞いてくる。
その顔があまりにも眩しすぎて僕は先程まで考えていた事など忘れ、少し裏返った声で「はい」とだけ答えた。
「よかったー。間違えてたらどうしようかと思いましたよ。」
彼女がなにか喋っているが、そんな言葉など耳に入ってこない。
すでに頭の中は、この後行われるこの子との行為の事でいっぱいだった。