普通のあなたと片目の私


「ちょっと付いてきてくれない?」




翌日。
美雪と別れを告げるため会うことにした。


本当は駆け落ちでもしたい気分だが…そんなのが成功する程現実は甘くないと分かっている。


そうして満たされない気持ちで案内したのがホテルだった。……つくづく俺は最低な男だ。




「お願いだから…付いてきてくれないか?」




美雪は躊躇っていた。
だけど…美雪と会えるのは今日がきっと最後だ。最低だと思われようが関係ない。





「……一生のお願いだ。
今は美雪の全部が欲しい。優しくするから。」




――俺には余裕がなかった。


美雪の初めてを……俺が奪ったという美雪との愛の証が欲しかった。



―――本当に俺は人間のクズみたいな男だった。
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