甘い無口な彼氏
「近い」
「すみませんねー」
そそくさと私から離れ、河南の近くに座る伶くん。
仲が良いなあ…、と思っていれば隣に透弥くんが座る。
ちら、と見ると、灰色の瞳と目が合って、恥ずかしくなって下を向いた。
「で?泊まりってことは、私は伶と同じ部屋ってこと?」
「そゆことー」
「え゛!?」
そんな私の驚きに、河南と伶くんがバッと私を見る。
「当たり前でしょ。何でカップルがいるのに違う部屋で泊まるの!」
「じゃ、じゃあ河南は伶くんと泊まれるの!?」
「今更。幼なじみなめんなよ」
う、嘘でしょ…!?透弥くんと二人とか…!!
透弥くんを見れば、無表情で前を見てるだけ。ど、どうすればいいの?
「で、でも…」
「透弥は?いいだろー?」
笑顔で聞く伶くん。その返事が気になり、俯いていると、
「いいけど」
なんて、そっけない返事が聞こえた。
い、いいの…!!?