甘い無口な彼氏
「ほらぁー。彼氏様はいいって言ってるんだからいいでしょ?」
「ええぇ…、」
「透弥、説得しろよー」
伶くんが言った何気ない言葉に、透弥くんが小さく息を吐いた。
「比奈」
「へ」
「一緒に泊まりたい」
「!!!」
「だめ?」
まるで子犬がおねだりするみたいに、私の瞳をじっと見つめる透弥くん。
こんな聞き方、ず、ずるい!
「い、いいよ…」
「(さすが。惚れた弱み!)」
ニヤニヤ、と私を見る幼なじみ二人に、かあ~っ、と顔が赤くなるのが分かった。
そんな私の頭を撫でてくれた透弥くんは、やっぱり優しいと思う。
二人はそんな場面すら、ひやかしていたけど。