★ 理想のコイビト ★
「ほんっと今日、蒸し暑いよねー。」



「だねー。早くプール始まって欲しいよねぇ。」



「うんうん。」



「ってかさ、隣のクラスの子が話してた噂、アレ本当かなぁ?」



「さっき…あぁ!あの、二人組の男が浸入してきたってアレ?」



「そうそう。」



「「“っ!”」」



ヤベェ…。もう噂になってやがる。



恐るべし、女子の情報網。



ロッカーのすぐ傍で繰り広げられる会話に、一瞬ビクッとしてしまいそうになったが、音を立てようものなら即アウト!!



寸前のとこで踏ん張った俺は、とりあえず心を落ち着かせる為、軽く深呼吸した。

< 54 / 86 >

この作品をシェア

pagetop