★ 理想のコイビト ★
ヤベェ…。マジヤベェ…。



いつバレるかも分からないこの状況。



正直、俺の心臓は脈拍マックス。ドキドキを通り越してバックンバックンしてる。



ヤベェ…。ヤベェよ…。神様、仏様、いや、もうっ、誰でもいいから助けてくれー!!ってか、このブレザーもスカートも全て幻で、空き教室であってくれー!!



「あぁー疲れたぁ~。」



「だねー。」



「「“っ!”」」



でも、そんな俺の祈りも虚しく、ガラリと開いたドアの音、と同時に飛び込んできた数名の女子の声。



普段見ることのない体操服の女の子に違う意味でドキドキしつつも、バレたらおしまいという妙な緊張感。そして、もしかしたら繭に関するなにかしらの情報を得られるかもという淡い期待を抱きつつ、カラカラに渇いた喉をゴクリと鳴らした俺は、息を潜めながら、彼女達の会話に耳をすませた。

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