鎖～kusari～

私が目を覚ましたのは、もう仄かに外が明るくなりだしている頃だった。

慌てて起き、シャワーをすませ朝食をとった。

（ソファーで寝ちゃうなんて……）

あっと言う間に時間は経つ。
朝を迎えて間もない学校への道をダッシュした。
ヒールの音が何となく申し訳ない気がしたが背に腹は変えられず、思いっきり鳴らしながら走った。



そのお陰でなんとか間に合った。
職員室では既に遥二先生はパソコンを開いて仕事をしていた。

「おっ…おはようございます…」

「おはようございます雲雀先生」

「あれ？遥二先生…眼鏡…」

今日の遥二先生は昨日と何か違うと思ったら眼鏡をかけていなかった。

「あぁ…実は家に忘れてしまいまして…」

「眼鏡無くて大丈夫なんですか？」

「えぇ、たいして不自由はありませんよ」

遥二先生は穏やかに微笑んだ。
眼鏡をかけていない遥二先生も素敵だなぁ。


今日も１限目から授業があった。
１年３組の授業だ。

朝のホームルームを終わらし、休憩を挟んでチャイムが鳴った。