鎖~kusari~
三章「しぐれ雨」
第三章
【しぐれ雨】


俺は酷い頭痛で目を覚ました。

「時雨様、そろそろ準備して下さい」

春明のお付きをしていた緑川がドア越しで声をかけてきた。

「あぁ、分かっている。すぐ行く」

「朝食は御用意できていますので……でわ、失礼致します」

緑川は春明専属だから、春明が死んだ今、ここに残る必要はない。
しかし、長年一ノ瀬家に仕えてきて急に辞めたくないらしい……。
でも、一番の理由として…春明の最後の命令で、次の当主候補である俺に仕えろ。とのことだ…。

朝食を済ませ、学校に行く時間になった。
玄関では既に緑川が車を停車させていた。

そして俺は車に乗り込んだ………。


移り変わる景色を見ながら俺は頭をかかえた。






今日は頭痛がなかなかやまない……。



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