pierce,prince



すうっと遠退いた意識のなか、
そこにいるのも
やっぱり…葵だった。



それは2・3年前の夢。
あたしの誕生日。


少しずつ大きな仕事を
ちょっとだけやらせてもらえる
ようになった葵が、
初めて自分のお金で買ったもの。

あたしへの、プレゼント。


葵のご両親も葵が初めて
自分の稼いだお金を使ったのよ
普通は家族じゃない?
海ちゃんが大切なのね〜
って大騒ぎして笑ってた。


葵は葵でいつものように
…涼しい笑顔で。

海が欲しがってたから
買ってきてやった。


その言葉は夢の中でも
あたしの心を踊らせるんだ。

夢にでるほどに…
あの日のことを、覚える。


葵の初めてを貰えて
すっごくうれしかったの。



< 32 / 82 >

この作品をシェア

pagetop