pierce,prince
ここで、"そんなこと言って
本当はあたしのことをきれいって
言ってるんでしょ?"だなんて
軽く笑い流せる女だったら、
なんてよかったのだろう。
あたしと葵の関係じゃ、
夜空を眺めて微笑み合うだなんて
そんなの、恥ずかしすぎる。
映画のワンシーンでも、
ベタな恋愛漫画でもないのに
あたしには、できないよ。
そう、思ったのに───‥
あたしの思いを覆すのは、…葵。
「これ、覗いてみ?」
葵の影から現れたのは
なんとも本格的な望遠鏡だった。
『………え…?』
「いいから、覗いてみ。」