pierce,prince



あたしは葵のベッドに
ちょこんと座る。


葵のベッドからは
夜空がよく見える。

空を見ることを意識して
ベッドを配置したんだな
ってことがわかる。



葵はあたしと
開け放った窓とのあいだに
そっと望遠鏡を置いた。




「ん。…見てみ。」


葵はあたしの後ろに回り込み
あたしを抱え込むように座った。



甘く、跳ね上がる───‥鼓動。



「…俺、…あんまり星とか
詳しくないから
よくわかんないんだけど…」



そう言って望遠鏡をいじる
葵の手つきは、
どこかぎこちなくて───‥



『ね、葵?…星だけじゃなくて
…望遠鏡も詳しくないでしょ?』



< 49 / 82 >

この作品をシェア

pagetop