pierce,prince
『…ごめんね。気持ち悪いよね』
気づいてたのなら
言ってくれればよかった。
葵に悪いし、なにより
恥ずかしすぎる。
「謝る必要ねーよ。」
どうして…?
「俺は…海が俺が帰ってくるの
待ってんだなって思うと
うれしかったし、がんばれた。」
葵…
「なのに…なんでカーテンを?」
葵の瞳は、悲しげに揺らいでいた
「俺が帰ってくるのとか、
どうでもよくなったワケ?」
そうじゃない。
そうじゃないって言いたいのに
言葉が出てきてくれない。
「…って、こんなことっ…!
…ただ家が隣ってだけなのに、
気にしてる俺がおかしいのか。」
自嘲気味に笑う葵が
アオイと重なった───‥