pierce,prince




「だからマネージャーに
今年の誕プレに望遠鏡くれって
お願いしたワケなんだよ。」



葵は優しく目を細めた。



「海と一緒に見たいのに
海に望遠鏡ほしいって言う…
そんなワケにはいかないだろ?」




葵はまたあたしをぎゅうっと
強く抱き締めた。



「…一緒に見れてよかった。」



涼しげに笑う葵の笑顔は
あたしだけの葵──‥




『…でも、やっぱり…
ちゃんとしたプレゼント
買い直してくるね…?』



「いいって。」



『あたしがよくない。』



「…そ?」



『うん。だから…
葵は、なにほしい?』



「そうだなあ…」


『なんでも、いいよ…?』




「じゃあ‥───。」



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