pierce,prince
─────…
照明の落とされた会場は
開演前の異様な興奮で高まる。
「うそー!?信じられない。」
「夢見てるみたいだよ〜!」
会場内は見渡す限りの
人、人、人─────…
「メインステージ近すぎるー!」
「ヤバイよね!絶対絶対これ
近すぎるって!やばいよ!」
あたしの隣で
興奮するアユとミキ。
「海ちゃんがアオイくんの
コンサートに一緒に行くって
言ってくれただけで
すっごいびっくりしたのに…」
「こんな良い席のチケットまで
譲ってくれるなんて…!」
「海ちゃん、神様だよ〜!」