TIME WAR
走って走って病室に戻った。死んだわけないじゃんって言ってたけど


信平に変化があったからこっちの信平にも変化があると思う


走らないっ!!
看護婦さんにおこられて病室までの廊下を早足で歩く


「なに、戻ってきたの」

歩君が起きていた。
私に鋭い眼差しを向けて 渉君は歩君の視界に入らないように隅っこにたって信平をみていた


「信平っ!起きろよ。死なないでよねっ」


「は?……お前なに」


「チャコッ!何か変化あったのか!?」


私は渉君の勢いに驚きながらゆっくり上下に動かした。


過去は変わってない
だけど現在(いま)は変わってる


なら今から過去にいったら信平の意識はきっと……


渉君の腕をつかんで渉君の家まで走った。
意気が上がって疲れてもつくまでは止まらない


「渉君っ……時計っ回してっ……っ!」


「う……んっ!」


ゼーゼーしながら、
時計の上で回る針を見る。周りの 明るさも次々にかわる


乾いていた道に色がつく

「もう、強硬手段!わたし達も夏休みが終わるから」


「でもどうすんの?チャコなにか良い案あるの」

「まぁ見ててよ」



過去2010年6月19日AM:8時


運命がかわる。
いや、わたし達が
未来を作る瞬間



何回も何回もみた光景が目の前に広がる。


家の中から出てきた3人 どこに行くかはプライバシーだって


パシャパシャと音をたてて走った。


なんかさっきからずっと走ってる
大きく息を吸い込んで

「わーたーるーくんっ!」



あけていた財布を見つめていた渉君が顔をあげていた


時間、稼がなきゃ
あの車はまだきてない


ハテナ顔の渉君に
傘の下から声をかける


「あのねーっ!!」


「すいません!誰ですかぁ!」


あ……知らないんだった私のこと


「同じ学校のー!!」


車はまだこないの!?
バラバラとお金が落ちた

渉君はしゃがむ


「拾っちゃダメっ!!」
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