天神学園高等部の奇怪な面々23
抜刀していないとはいえ、構えたこはくに。

「……へぇ」

遊里は不敵に笑う。

「そっちがその気なら、私だって」

見た事もない構え。

「っ!」

こはくが息を呑む。

武道に精通した彼女でさえ、あのような構えは見た事がない。

(この子…僕の知らない流儀を…?)

だとしたら油断がならない。

腰を低く落とし、眼光は一瞬たりとも遊里から逸らす事なく。

身重の身だが、そんな事で彼女の太刀捌きが衰える事は些かもない。

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