女の隙間、男の作為
「そう言って結城に逃げようとしてる?」
「松岡さん、酔ってるんですか?まだ先は長いですよ?」
「カノちゃんが酔うとどうなるのか見たいなー」
「それは結城に聞いてないんだ?」
“めんどくさいよ。あたし”
後悔するなよという視線を投げかけてから手元にあったジョッキをまた空にする。
目敏い御子柴がこういう時ばかりは俊敏に動いてあたしのグラスに黄金の液体を注ぎに来ている。
「御子柴。焙り豚トロネギ塩食べたい。追加で頼んで。それからチーズオムレツとセロリスティック」
“かしこまりました!”と威勢のいい声。
さすがは宴会部長の御子柴。便利過ぎる。利益少ないけど。
「俺が介抱するから離れないでね」
「それで何人の女の子が引っかかった?」
距離を詰めて耳元で囁いて肩を抱いて。
さぞ成功率は高かろう。
「さぁ、数えてないからなー」
「ヒドイなー。そこは“カノちゃんがはじめて”って言うところなのに」
「“カノちゃんがはじめてだよ”」
「嘘くさーい」
なんて意味のない会話。
そしてあたしはお酒の席の意味のない会話が大得意。
だからこその“定時後の戦力”。
「カノちゃん、カレシいないってほんと?
俺、今すぐ立候補していい?」
「えーどうかなー。ほら暫定の旦那様がいるから」
結城を指させば向こうも気づいたようで手を振っている。
だからサービスで投げちゅーをしておいた。
ビール二杯で既に酔ってるかもしれない。
「それは何とかしないとなぁ」
さらに強く肩を抱き寄せられ密着度が増した。
これって立派なセクハラレベルだと思うのですが。
そろそろ“この人セクハラでーす”とおじさま連中に申告しようとしたところで当の部長が向かいにやってきた。
「松岡さん、酔ってるんですか?まだ先は長いですよ?」
「カノちゃんが酔うとどうなるのか見たいなー」
「それは結城に聞いてないんだ?」
“めんどくさいよ。あたし”
後悔するなよという視線を投げかけてから手元にあったジョッキをまた空にする。
目敏い御子柴がこういう時ばかりは俊敏に動いてあたしのグラスに黄金の液体を注ぎに来ている。
「御子柴。焙り豚トロネギ塩食べたい。追加で頼んで。それからチーズオムレツとセロリスティック」
“かしこまりました!”と威勢のいい声。
さすがは宴会部長の御子柴。便利過ぎる。利益少ないけど。
「俺が介抱するから離れないでね」
「それで何人の女の子が引っかかった?」
距離を詰めて耳元で囁いて肩を抱いて。
さぞ成功率は高かろう。
「さぁ、数えてないからなー」
「ヒドイなー。そこは“カノちゃんがはじめて”って言うところなのに」
「“カノちゃんがはじめてだよ”」
「嘘くさーい」
なんて意味のない会話。
そしてあたしはお酒の席の意味のない会話が大得意。
だからこその“定時後の戦力”。
「カノちゃん、カレシいないってほんと?
俺、今すぐ立候補していい?」
「えーどうかなー。ほら暫定の旦那様がいるから」
結城を指させば向こうも気づいたようで手を振っている。
だからサービスで投げちゅーをしておいた。
ビール二杯で既に酔ってるかもしれない。
「それは何とかしないとなぁ」
さらに強く肩を抱き寄せられ密着度が増した。
これって立派なセクハラレベルだと思うのですが。
そろそろ“この人セクハラでーす”とおじさま連中に申告しようとしたところで当の部長が向かいにやってきた。