シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

今…


朱貴と七瀬紫茉を渡せば、

玲様は助かる?


――助けてくれ。


あんな顔をするまで追い詰められた玲様に…笑顔が戻る?



くつくつ、くつくつ。



もしこのまま、2人を逃がすことに成功したとしても…憤った周涅が、こちらの意向を聞き入れて、縁談を取り下げるとは思えない。


私は、玲様を救わねばならない。


周涅に対して有効なのは――

駆け引き。


圧倒的力を持つならば、力で脅すことは不可能。


ならば、切り札を持つ今の状況こそが…

一番取引条件としてはベストのはずで。



「桜…」


馬鹿蜜柑の声。



「人の心を捨てるな…あがっ!!」



鈍い衝撃音。



「ほざくな…蛆が」


凍り付いた声音。



その時、足元で何かが身動いだ。


朱貴だった。


朱貴の濃灰色の瞳がこちらを向いていて。


そして――


朱貴はゆっくり目を瞑って、

頷いたんだ。


"俺達を置いていけ"


――と。


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