シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
その時、
「――遊びの時間は終わりだ」
そんな緋狭様の声と共に――
ドガッ。
緋狭様の裏拳が、周涅の腹に入り…
周涅を大きくよろめかせた。
私が初めて見る、緋狭様からの"攻撃"だった。
「周涅、判っておろう。
今のお前では、1人で私には勝てぬ」
いつ手にしていたのか…
煌の巨大な偃月刀を周涅に突きつけていた。
煌でさえ両手で持つ偃月刀を、
緋狭様は軽々と片手で操っていて。
「え? 俺の…あれ?」
不甲斐ない愛弟子は、自らの武器が無くなったことすら気づいていなかったらしい。
隣に居た私も…気づいていなかったのは、悔しい。
「"此の場は見逃してやる"。
今のお前はそう言える立場には居ない。
現実を見ろ、周涅。
此の場を生き残り、
"約束"を守りたければ…。
この者共を此処から逃がし…」
緋狭様はにやりと笑った。
「玲との婚姻を取り下げろ」
私は――
「それが――…
"見逃してやる"条件だ」
心が震えた。
緋狭様!!!
緋狭様は…
玲様も見捨てられていない!!!
これで…
玲様に笑顔が戻る!!!
私は、煌と顔を見合わせて、頷きあった。