シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


既に判っている。

芹霞の返答なんて。



"男"として意識されたかったよ?

愛されたかったよ、本当は。



本当は…

もっともっと僕を見てと叫びたいけれど。


本当に…

諦めきれるのか自信はないけれど…。


これが僕の贖罪だ。


求めて拒まれる辛さは…

櫂は何度も経験したんだ。


櫂の方が苦しかったんだ。


だから…


僕は耐えられる。


散った恋の辛さくらい…。



いいよ、芹霞。



さあ…僕を拒み倒して。


僕は――

ただの灰かぶりに戻る。



夢を見させてくれてありがとう。

愛させてくれて本当にありがとう。



本当に僕は――


君が好きでした。





さあ…




いつもみたいに僕を――




「…本当に…いいの…?」




僕を拒んで――…?




「本当……?」




………え?



いつもと調子が違う、震える芹霞の声調に。



どうしたのだろうと…

僕は、顔を上げた。



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