シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
私は返事の代わりに溜息を落とし、彼の隣の椅子を引いて座る。
ああ、あんな馬鹿蜜柑の為に、この男の情報網を頼るのは癪だけれど。
聖は、猫背で…ストローで音をたててメロンソーダを飲んでいる。
奇天烈な格好にメロンソーダ。
今となっては、それがトレードマークになってしまっており、何も突っ込む処がない。
「狂犬はんの何について語りまひょ?
狂犬はんのしでかしてること?
狂犬はんの居場所?
それとも狂犬はんの取り巻く環境でっか?
制裁者(アリス)について?
自警団について?
血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)について?
それとも…」
私は目を細めた。
「血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)?
それは…2ヶ月前と同じものか!!?」
今このタイミングで。
しかも馬鹿蜜柑の関連情報として、何故またあの忌まわしい単語が出てくるんだ?
「は? そこでっか? 知らなかった…とか? まさか…その"青い"服を着ていて? ほんまでっか!!?」
青い服。
氷皇がこの服を着せたのは…
意味があったということなのか?
「ということは、鬼雷はんは何も知らない…ちゅうことでっか…。んーこれもウチの商売やて、そこまで全てを全て無料で教えて差し上げられるような慈善事業ではないさかいに…」
東京の現状。
煌の行方。
どちらの情報が私に…私達にとって必要か。
考えた私は、即座に言った。
「煌の行方についての情報を」