シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


虚数は、0と1を食らうように…ゆっくりと増殖している。


そしてそれは、僕の把握出来ぬ"曖昧な"力を蓄えていく。


僕という"明確な"存在が、0と1で構成されているのなら。


何れか僕は、虚数の猛威に脅かされるだろう。


何とか今の状況では、多く残留する0と1のみを選別して拾い集め、僕の力の糧と出来ないことはない。


だとすれば紫堂の力が使えるうちは、僕の…虚数から身を守る為の結界としなければいけない。


僕は、紫堂の力で相手を倒せない。

ゲームで言えば、技…"奥義"がそれに相当するだろう。


頼れるは僕自身の…体術。


今まで通り、連続技で畳みかければ大丈夫。



そう思っていた矢先――


決勝戦で対戦したのは、"軍神"操る魔法使い"ゆんゆん"。



由香ちゃんだけが操作出来るレアキャラ。



「な、何で…由香ちゃんが…!!?」



正直――

僕は汗をかいた。



由香ちゃんの強さは判っている。


彼女は生粋のゲームマニア。

その強さは筋金入りだ。


それでも僕が勝ってきたのは、裏奥義連続発動によるTKOが出来たから。


裏奥義が使えねば、僕はそれでも由香ちゃんに常勝出来ると言い切れる自信はない。


彼女の強さは、連続技から繰り出す…容赦ない奥義の連発。

何より彼女が操るゆんゆん自体、攻撃力も防御力も半端じゃない。



更に僕は――

力を全てを虚数排除の結界にと回し、技すら使えない状態。
< 358 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop