シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「煌…覚悟しろぉぉぉッッッ!!!」



やばいッッッ!!

来るッッッ!!!


緋狭姉、必殺…"怒りの拳骨(ゲンコツ)"!!!


駄目だ、あれを食らっては!!!


あれだけは、あれだけはッッ!!!



恐怖ッッ!!!



身体が。


身体が勝手に…。



「勘弁してくれ、


――緋狭姉ッッッ!!!!」



俺の身体が激しく震え出す。


幼い頃、刻み込まれた恐怖体験が、リアルに蘇る。




「あたしの名前は――




神崎芹霞だッッッ!!!




何度も間違えるんじゃないッッッ!!!」



バキーン。



頬にストレートが入った。




生きてる…?

俺、生きてる!!?



奇跡?



緋狭姉…。

緋狭姉は…!!?


いねえ。

怒りに満ちた緋狭姉は何処にもいねえ。


居るのは…芹霞で。


頬は痛いが…

これだけの衝撃ですんだんだ。



「よかった~ッッッ!!!」



「何もよくないわッッッ!!!」



ドゴンッ



芹霞の渾身の頭突きを…幸せ感じた胸に受けた。



くうううっっ。



芹霞お前…。


何ちゅう…攻撃力だよ。


頭に…星とひよこがくるくる回っている。


こんな痛いの…


絶対夢や幻覚じゃねえや…。

< 389 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop