シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「煌…覚悟しろぉぉぉッッッ!!!」
やばいッッッ!!
来るッッッ!!!
緋狭姉、必殺…"怒りの拳骨(ゲンコツ)"!!!
駄目だ、あれを食らっては!!!
あれだけは、あれだけはッッ!!!
恐怖ッッ!!!
身体が。
身体が勝手に…。
「勘弁してくれ、
――緋狭姉ッッッ!!!!」
俺の身体が激しく震え出す。
幼い頃、刻み込まれた恐怖体験が、リアルに蘇る。
「あたしの名前は――
神崎芹霞だッッッ!!!
何度も間違えるんじゃないッッッ!!!」
バキーン。
頬にストレートが入った。
生きてる…?
俺、生きてる!!?
奇跡?
緋狭姉…。
緋狭姉は…!!?
いねえ。
怒りに満ちた緋狭姉は何処にもいねえ。
居るのは…芹霞で。
頬は痛いが…
これだけの衝撃ですんだんだ。
「よかった~ッッッ!!!」
「何もよくないわッッッ!!!」
ドゴンッ
芹霞の渾身の頭突きを…幸せ感じた胸に受けた。
くうううっっ。
芹霞お前…。
何ちゅう…攻撃力だよ。
頭に…星とひよこがくるくる回っている。
こんな痛いの…
絶対夢や幻覚じゃねえや…。