シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「? ???」


「芹霞、前!! そっち見ない!!!」


ということは"そっち"に何かが…。



「あ~ッッッ!!!」



あたしはそれを見つけると――

思わず玲くんの手を振り解いて、

胸の前に両手を組んで"感激"のポーズ。



「ティアラ姫ッッ!!!?」



こんな処で出会えるとは思わなかった、お姫様。


きらきらピンクに包まれた、星冠(ティアラ)被ったぶちゃいくワンコ。


あたしの目もきっとキラキラだ。


渋谷より大きい店舗かも…。

うわっ…素敵…。


ふらふらふら…。



「芹霞、行かないの!! 

こっち!!! 上に行こう!!」



ふらふらふら…。



ああ、あそこに――

背中に大きいティアラ姫の絵がついたピンク色のコートが売ってる。


あんなのあったの!!?

あれ可愛い!!!


あの睨んでいるのかふて腐れているのか判らない、崩れて潰れたような顔が目茶苦茶可愛い過ぎる!!!


しかも3割引!!!

庶民が喜ぶ赤札!!!


これは運命の出会いに違いない!!!


「ねえ、玲くん。あたしあれを…」


「駄目。絶対駄目!!!」


「ええ!!? だってあれ…」


「やめて? ねえやめて? こんなビルの中で、唯一赤札になっている理由を考えよう? 何で此処で店舗出しているのか、出させて貰えているのか判らないけど、誰もあれを買う人いないから安くしてるんだよ?」


「だったら余計、誰も着ないあれは個性的で…」


「君には個性的すぎるから。あのインパクトが大きすぎるワンコ姫に、可愛い君が隠れてしまうから。此のビルには女の子に人気の、とても可愛いお店が沢山入っているんだ。芹霞。君のは僕が選んで上げる。お願いだから僕に選ばせて?」


「じゃあ、他のティアラ姫のお洋服を探してくる…」


ふらふらふら…。

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